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2023-02-02

2022年度 2月の園長だより

自立の心

保育参加の終わった1月末に懇談会(保護者会)をおこないました。その中で、年少さんの保護者の方から「1学期・2学期は個の活動が主だったけれど、それが友達や他者を意識した活動に変化していて、こども達の成長を感じました」というご感想をいただきました。実は健康体操の北洞先生も同じようなことを言っていて、「こども達の取り組む姿が(良い方向に)変化してきたね。これは先生達が「どこまで手を出すべきなのか」にもよるんだろうね」とも言っておりました。年少さんに限らず、こども達の成長を感じる場面は随所で見られるようになっています。特に目を引くのが発達の差異などは関係なく関わり合っているところです。年長さんが小さい子を守ろうとする姿や、友達同士で協力しようとする姿、そのような中で一緒に笑い合う姿はまさにインクルーシブで、多種多様な成長の姿を見ることができています。逆に「今は一人でいたい」子や、突然登園を渋り出した子もいましたが、これら全てがこどもの成長の一過程であり、この背景に「自立しようとする心」が見え隠れしていることを心に留めることが大切だと思っています。

先日、ある先生から「自立の意味を考える」(東京大学准教授の熊谷晋一郎氏)という新聞の切れ端を受け取りました。要約すると、「自立とはなんでも自分でやることではない。手足が動かないなら介助を受ければいい。ただし、自己決定だけは譲るな。なぜなら自立=自己決定だから。自立とは独占されることのない依存先を多く持つことだ。依存先は自助努力で増やそうとしたり、組織・社会に合わせて個人が変わるのではなく、個人が安心して水平的な(対等な)人間関係に依存できるように社会や組織の文化や仕組みを変えていくということだ」とありました。「自立とは依存すること」。なるほど、と思いました。これは保育者(当然園長も含む)の心構えとしても大切なことだと感じました。

青梅幼稚園では学期の節目毎に園児全員の個人記録、児童発達支援計画を職員一同で話し合うことが昔からの慣例となっております。その話し合いの中で私たちが注意していることはこどもの姿を語る時、「その子の輝いていた姿を共有する」ということです。○○が不足しているから○○をできるようにする、等を最重要課題として話し合い、全園児に対し強力に実践した結果どうなるかといえば「均質化された可もなく不可もない同じようなこども達」ではないでしょうか。それよりも重要視されるべきは「その子らしく」「個性豊かに」「のびのびと」、のはずです。その実践結果は「凸凹のこども達」だと思いますが、その凸凹に合わせた組織・文化作りを私たち保育者は担っていかなくてはならないのだと思います。こども達が凸凹のまま共に成長していく文化を園内でより成熟していくことができたら、こども達の成長・自立をより豊かに促していけるのではないか、保護者の皆さまにも「子育てって楽しい!」と今よりももっと実感していただけるのではないか、と思っています。

「自立の意味を考える」の新聞の切れ端にはこんなことも書かれていました。「大きな失敗を減らすには、失敗しても過度に個人が罰せられず、むしろ失敗から学習し、成長できる組織文化が必要である。その尺度となるのが「心理的安全性」(失敗しても、自分の弱い部分があっても大丈夫と思えること)である」。こども達からも、保護者の皆さまからも、園に関わる様々な方々からも安心して依存してもらえる青梅幼稚園でありたいと思います。そして、そこを目指して日々の保育を重ねていきたいと思います。(園長)

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職員室


教材が置いてあります。

りす


3歳児クラスのお部屋。

フリールーム


預かり保育、礼拝、健康体操など多目的に使います。

うさぎ


3歳児クラスのお部屋。

お庭


5月にはグミの実が、夏から秋にかけて野イチゴが採れます。

きりん


4・5歳児の縦割りクラスです。

園長室


園長がお仕事をしています。

こひつじ


地域の親子が遊べるお部屋です。

ぱんだ


4・5歳児の縦割りクラスです。

こどもトイレ


壁紙も木の扉も先生の手作業できれいにしました。


のぼる子ども多数。下にはスギのウッドチップ。

ポスト


のぼるところ。宝物などをしまうところ。

ブランコ


ブランコを片付けるのは年長さんの証です。

こうさぎ・こりす


2歳児と満3歳児クラスのお部屋。