2017年度3月の園長便り
卒園・進級を迎えるにあたって
今年は18名の年長さんが卒園していきます。また、年中:12名 年少:13名 こりす組:8名(新入園:4名)はそれぞれの一年を終えて進級しようとしています。この一年みんなはどんな日々を過ごしたでしょうか。
私はほとんど毎日、こども達や先生たちの間に交じって過ごす時間を持つことができました。ボール遊び、追いかけっこ、おんぶ、花の水やり、のこぎり、ドリル…あげていくと、きりがありません。
いろいろなこどもがそれぞれ別のことをしながら一緒の空間の中で調和を保っている時、おそらく誰もが楽しい時間と感じていたと思います。けれども、それとは逆に何かが食い違って、ぶつかり合う時もありました。そんな時は大人は平静を保っているように見えながらも心身を消耗させています。大人が困らされるあまり「困る行動をどうしたらなくすことができるか」が教育の目的のように考えてしまう瞬間もあったように思います。けれども、大人が困らされる行動がなくなること、皆と同じように振舞えるようになることが私たちの最終的な目標ではないことは明白です。もっと大きく積極的なところに私たちは目を向けなければなりません。たとえ大人の力(権威)によってこどもの行動を変えさせたとしてもこどもが自分からそうするのでなかったら、人間として成長したとは言えないのではないでしょうか。私はそう思っています。
どの子も幼稚園に初めて来たとき、自分の未来に対して恐れや不安を持っていたと思います。でも、今、自分ができる小さなことを周りの人たちが喜んでくれる時、こどもは今の自分にも何かができると思うようになるのだと思います。自分で始めた小さな行為に価値を認めてくれるという体験を持った子は目前の小さな困難を自分の力で乗り越えられる自信を得ることができます。その時、未来は不安ではなく挑戦となるのではないでしょうか。
この時期は毎年泣けてきてしょうがないのですが、これからもずっとずっと、こども達の存在そのものが祝福されていきますように、と祈りつつ卒園式・修了式を迎えたいと思います。 保護者の皆様にも、この一年多大なるご協力をいただき心より感謝申し上げます。これからも引き続きお付き合いくださいませ。よろしくお願いいたします。
(園長 横山 牧人)