2019年度6月の園長便り
先日、土曜日に息子(三男:中2)の通う中学校から緊急保護者会を開くとの通知が来ました。 家内は仕事でしたので、私が行くことになったのですが、なんでも先生に対して暴力事件があったとか…。
校長先生は淡々と概要を話され「ご家庭では『いけないものはいけない』と話をしてください」とのことでした。 具体的にもう少し詳しく説明を求めましたが、それ以上のことは話されませんでした。
「いけないものはいけない」…。
確かに暴力に訴えた生徒の行為はいけないことだと思います。 けれど、その背後に何があったのか。少なからずその行為に至るまでに様々なことがあったはずなのですが、そこは考えなくてもいいから、「いけないことはいけない」と押し付けられる、それで生徒は納得できるのでしょうか? 実際、息子は目に涙をいっぱい浮かべて「先生だっていけないところはあるんだよ」と訴えてきます。
人間関係に悩む時代…。
ハリー・スタック・サリバン(1982~1949)というアメリカの精神科医が「人間は自分が存在する意味と、生きる価値を、人間関係のなかに見いだす。 いや、人間関係のなかにしかそれを見いだすことはできない」と語っています。 大人もこどもも、サリバンのいう人間関係を失いつつあるのが現代、ということなのでしょうか。 さらにサリバンは「最高の人間関係とは?」の問いに対してこう答えています。 「誰と誰との関係であっても、相手に与えているものと与えられているものが、同じ価値を持っていることを実感できていれば、それが最高の人間関係です。 たとえば、母親と赤ちゃんでも同じことです。 母親が幼い我が子と一緒にいることを幸せだと感じていれば、その幼子はお母さんと一緒にいることがなによりも幸せだ、ということです」
私たち教師はこども達から学ぶ姿勢を忘れてはいけないと改めて思いました。 こどもから学べる教師こそが、本当の意味でこどもに教える力を持った教師なのですから。
教師とこども、幼稚園とご家庭、それぞれの関係性において良い関係を築いていき、こども達の存在をより深く、より確かなものにしていきたいと思います。
(園長 横山 牧人)