7月31日 つくし組「お友達との関わり」
今日は一人お休みになってしまったので、9組の親子がつくし組に遊びに来てくれました。
毎回、つくし組は穏やかで、あっという間に時間が経ってしまう印象です。次回は8月21日と少し間が空いてしまうのですが、今から楽しみです。
そんな中、お母さん達とお話を(立ち話ですが)する機会がありますが、「お友達との関わり」について先週も、今週も違うお母さんから同じような話が出ましたので、少し考えてみたいと思います。
お子さんはおとなしいタイプ。子どもが大勢いるところや少し元気な子が走り回っているようなところは苦手なようです。赤ちゃんの頃はそうでもなかったけれど、月齢を重ねるごとにその傾向が強くなってきた。物の取り合いなどもすぐ譲ってしまうことが多い、他のお友達と遊びたがらない、とのことです。どちらの方も「早く集団の中にいれていいものかどうか…」と心配されていました。
心配な気持ちはごもっともだと思います。我が子に一番適した環境を与えてあげたいと願ってのことですから、心配なさる気持ちはこどもへの愛情そのものだと思います。以前、私が関わったお子さんの中にも、お友達とは遊ばず、遊ぶ相手はお母さんと決まっている、という子がいました。入園後は言葉も少なく、コミュニケーションを取ることがとても困難でした。けれど次第にクラスの中だけなら、お友達と関わることができるようになり、ついには他のクラスの子が遊んでいる中でも普通に遊べるようになりました(多くの場合このようなケースを辿るような気がします)。そんなある日、同僚の保育士が「いつの間にか遊べるようになったね」と話してくれました。「いつの間にか…」、いつからなんだろう?と保育日誌を遡って見ていると、入園当初は「いつになったら…」と思っていた自分に気づきました。「いつになったら…」がふと気づくと「いつの間にか」に変わっている!これは大きな喜びでした。そして同時に、周りのこども達のその子に対する接し方の変化にも気づきました。いつの間にか周りの子たちも成長していたのですね。そしてこのような課題はその子だけではなく、多種多様な形でどの子も持っているということにも気づくことができました。程度の大小こそあれ、誰もが様々な葛藤体験を通して他者に心を向ける思いやりの心を育んでいたのです。
成長の途中にあるこどもは当然できないことや、成長のゆがみもあります。こどもと過ごす日々は楽しいこともありますが、困ったこともあります。そう考えると、困ったことがないことを願うより、「いつでも」気になることはあるけれど、一方では生き生きと遊ぶこともあって、そのような全体として成長するこどもの姿を喜ぼう、という気持ちになりました。このことに気づかせてくれたこども達には本当に感謝です。
焦らず、ゆったりと関わる中で、「今、この子がこんなことをして楽しんでいる」そのことを大切にできたら素晴らしいと思います。日々の生活を楽しんでいきましょう。(園長)