2023年度クリスマス
メリークリスマス!
本日22日は冬至ですね。
12月に入ると、太陽の沈む早さに驚いてしまいます。16時を過ぎるとあっという間に暗くなってしまうように感じます。そして今日は冬至ですから、闇の時間が一年の内で最も長い日ということになりますが、逆に言うと今日から光りが増していく時、とも言うことができると思います。クリスマスを世界中でお祝いするこの時期、全ての人々の心の中に温かな光が灯りますようにお祈りしております。
クリスマスはイエス様のお誕生をお祝いする日…ですから、我が子の誕生した時の様子などもご家庭で話題に出しても良いかな、と思っています。私ごとで恐縮ですが、私のこども達は自宅分娩で出産した子が多く、その時の様子は今でもよく覚えています。陣痛が始まり、助産師さんもおじいちゃんおばあちゃんも私も、それぞれが自分にできることは何かあるか、とあたふたしながら過ごすうちに、時が満ちて産声が聞こえて「わぁ!」となって…出産直後も部屋の片づけや、いろいろバタバタと過ごし、みんなが帰った後、喧騒から解放された静かな部屋に赤ちゃんの寝顔を見て初めて「産まれたんだぁ…」と心の底から感動しました。
精神科医の石丸昌彦先生がこんなことを書いています「出産間近の胎内の赤ちゃんは体の仕組みができあがり、ひとりの人間として既に立派に生きていますが、不思議なことにまだ空気を呼吸していません。子宮を満たす羊水の中に浮かんでおり、必要な酸素や養分はへその緒を通してお母さんから分けてもらっています。空気を呼吸するための肺は、赤ちゃんの胸の中でしぼんだ風船のように縮こまり、出番が来るのを待っています。そして心臓は、中央の壁に大きな穴が空いて左右の部屋が直接つながり、全身から戻ってきた血液が肺に流れ込まない仕組みになっているのです。呼吸という角度から見ると、誕生直前の赤ちゃんは、水の中で生活する魚類や両生類の段階にあるとも言えそうです。そして時が満ち、いよいよ分娩が始まります。赤ちゃんとお母さんの涙ぐましい共同作業です。長い時間の末にとうとう赤ちゃんが外の世界に触れたその瞬間、体内で驚くべきことが起こります。一瞬にして心臓の壁の穴が塞がり、血管のバイパスが閉じて、全身の血液が力強く肺の血管へ流れ込んでいきます。すると、畳まれた状態で待機していた肺が血管の圧力でみるみる広がり、胸をいっぱいに満たして最初の息を吸い込みます。わずかな時間の劇的な変化、そして吐き出される最初の息が、産声なのです。」…こんなことがあの瞬間に起こっているなんて驚きです。
どの子にもそのような奇跡の時があり、命を与えられています。ベツレヘムの馬小屋で生まれたイエス様のお話もまさに奇跡のお話です。小さな奇跡はいつも私たちの日常の中に用意されています。特別な場所、特別な人に起こるのではなく、どのご家庭にも届けられるのがクリスマスのメッセージです。そして、こども達は私たちの光です。こども達から神様の愛を感じることができます。ご家族みんなで、クリスマスの喜びを分かち合うことができますように。争いの絶えない闇のようなこの世の中に平和の光が輝きますように。そのためにも、互いに愛し合う心を忘れないでいられますように。メリークリスマス。(園長)