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2023-06-06

2023年度 6月の園長だより

「こども達の目の輝き」

先日、育ちあいの集いのためご来園くださった岡本富郎先生(明星大学名誉教授)が園庭で遊んでいるこども達の姿をご覧になって「目の輝きが違うね!本当に輝いてるよ!」とおっしゃってくださいました。とても嬉しかったです。確かに、そう言われて改めて見回してみると、こども達の遊ぶ姿に勢いというか、溢れ出る躍動感みたいなものを感じました。次の日、年長さん達と森へ遊びに行きましたが、「目の輝き」にここでも触れることができましたので、いくつか事例をご紹介したいと思います。

雨上がりの森遊び、年長さん数人が土を掘ることに夢中になっていました。あまがさすの森の土は石が混ざっていて固く、掘りづらいのですが、「やわらかいところを探せ!」とあちらこちら掘ってはやわらかい土の箇所を探していました。名付けて〝掘り掘り隊”。「あ!ここやわらかい!」と見つけたのは丸太ベンチの下あたり。それー!と、みんなで掘り返すと、なんと大きな元気なミミズが何匹も何匹も出てきました!「うわぁ!すごーい!」歓声が森に響きました。誰も予想していなかった結果に驚き、こども達はすごいものを発見したと、喜びに溢れていました。また、地面に不思議な穴を発見した子、掘ってみると穴から水が噴き出してきました。「なんでだろう…」不思議に思っていると、「…!!雨が降ったからだ!!」これまた大発見!雨が土に浸み込んだということを森全体の雰囲気の中から感じ取り、ここ数日間の自分の体験と照らし合わせて導き出したのだと思います。そばにいた自然保育コーディネーターのすみれちゃんは「これってすごくないですか!?感動で体が震えました!」と言っていました。予定調和ではない偶然起こる自然の営みを発見した時、こども達の目の輝きは本当にキラキラしていました(周りの大人たちも)。

幼稚園教育要領、保育所保育指針にある「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の⑥番目に、「思考力の芽生え」という項目があります。その目的は「身近な事象に積極的に関わり、物の性質や仕組み等を感じ取ったり気づいたりする中で、思い巡らし予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる」、とあります。こうしてみると、森遊びでの出来事は「思考力の芽生え」につながっていることがわかると思います。こども達のあの目の輝きの奥には確かな育ちがあるのです。先生の指示だけ、与えられた物だけ、ではこども達の目の輝きは失われ、育ちも鈍くなってしまうのではないでしょうか。そうならないためにも、こども達の自ら育とうとする力を信じてあげることを常に私たちは忘れてはいけません。そうした日々の保育の積み重ねが、こども達の豊かな好奇心・探求心を引き起こし、育ちにつながっていくのだと思います。

岡本富郎先生は「こども達の遊びは生命活動である」と言っています。生命を維持するために営む活動が遊びであり、こどもにとっての遊びは遊ぶことそれ自体が目的でなければなりません。これからも、こども達の遊びを通して、様々な発見を共に喜び、こども達の目の輝きが増す環境の構築に努め、その成長を見守って行きたいと思います。

(園長 横山 牧人)

 

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職員室


教材が置いてあります。

りす


3歳児クラスのお部屋。

フリールーム


預かり保育、礼拝、健康体操など多目的に使います。

うさぎ


3歳児クラスのお部屋。

お庭


5月にはグミの実が、夏から秋にかけて野イチゴが採れます。

きりん


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園長室


園長がお仕事をしています。

こひつじ


地域の親子が遊べるお部屋です。

ぱんだ


4・5歳児の縦割りクラスです。

こどもトイレ


壁紙も木の扉も先生の手作業できれいにしました。


のぼる子ども多数。下にはスギのウッドチップ。

ポスト


のぼるところ。宝物などをしまうところ。

ブランコ


ブランコを片付けるのは年長さんの証です。

こうさぎ・こりす


2歳児と満3歳児クラスのお部屋。