toggle
2021-10-05

健康体育~「脳の可塑性」を生かした運動遊び⑦

「脳の可塑性を生かした運動遊び」⑦

「限界を超える子どもたち」(アナット・バニエル著)から子ども自身の力を引き出すための9つの大事なことの7つ目~「学びのスイッチ」

「学びのスイッチ」と言っても、脳の中に実際のスイッチがある訳ではありません笑。似た言葉に○○○○式学育法の「やる気のスイッチ」というのがありますが…、いずれにしても子ども達がやる気になり学びのモードになる時の条件の例えです。

「学びのスイッチ」をオンにするとは、脳が本来の設計どおり学べる状態にあることであり、スイッチが入ると(オンになると)、注意力が高まり、好奇心がわき、それまでわからなかったことやできなかったことを把握する(理解する)ようになります。(「限界を超える子どもたち」(アナット・バニエル著)p190)本来の脳の働きである学びモードにはオンとオフがあるということですね。

それじゃあ、どういう時に「学びのスイッチ」がオンになったりオフになったりするのでしょうか?

「学びのスイッチ」がオンになるためには、一定レベルの「覚醒」が必要だということで、覚醒というと悟りとか何か難しい感じがしますが、決して修行をして悟りを開く必要はなく、覚醒の鍵は「感情」にあります。(前掲書、p197)

感情には大きく分けて「快と不快」の2種類あります。「心地よい、面白い、楽しい、気持ち良い、美味しい、大好き等」の快と「怖い、不安だ、痛い、心配だ、気持ち悪い、悲しい、苦しい等」の不快です。

人間は現実やイメージに対して感情が動いた時に、そのイメージが潜在意識に書き込まれます。潜在意識に書き込まれたものの積み重ねが「セルフイメージ」と呼ばれているものです。セルフイメージとは「自分のことをどう感じているか、捉えているかというイメージ」です。人はセルフイメージに従って考え行動します。

アナット・バニエルは、快の感情が湧き上がってきた時に、学びのモードがオンになると言っています。そうではない時はオフであるということですが、実際の心の仕組みから厳密にいうと、不快の感情が湧き起こった時に、そのイメージも学習(負の学習)されてしまいます。オフの時、つまり学習されない時とは、感情が動かない(興味関心が湧かない、どうでもいい)時です。

「学びのスイッチ」がオンになり学習モードの時(※すなわち、快の感情の時)、ほぼすべての働きかけが、その子の発達を促しますが、オフの時は、何をしても変化はほとんど起こりません。(前掲書、p197)

以前の私は、指導の時、やらない子にもなんとかやらせようとした時期がありましたが、最近は促しはしますが、それ以上はプッシュせず、本人のやる気や興味が出てくるのを待つようにしています。スイッチが入っていない(快の感情が沸き上がっていない)子にプッシュするというのは、バッテリー切れの車を叩いて無理やり動かそうとしているようなもので、ヘタをするとマイナスの学習(運動が嫌い等)をさせてしまいますから。

子どもの「学びのスイッチ」をオンにするには、自分(大人)の「学びのスイッチ」をオン(快の感情)にしておかないといけませんね。


限界を超える子どもたち
脳・身体・障害への新たなアプローチ
アナット・バニエル 著伊藤夏子 訳瀬戸典子 訳
出版社: 太郎次郎社エディタス

 

健康体操講師 北洞誠一先生より
ご投稿いただきました

 

関連記事

職員室


教材が置いてあります。

りす


3歳児クラスのお部屋。

フリールーム


預かり保育、礼拝、健康体操など多目的に使います。

うさぎ


3歳児クラスのお部屋。

お庭


5月にはグミの実が、夏から秋にかけて野イチゴが採れます。

きりん


4・5歳児の縦割りクラスです。

園長室


園長がお仕事をしています。

こひつじ


地域の親子が遊べるお部屋です。

ぱんだ


4・5歳児の縦割りクラスです。

こどもトイレ


壁紙も木の扉も先生の手作業できれいにしました。


のぼる子ども多数。下にはスギのウッドチップ。

ポスト


のぼるところ。宝物などをしまうところ。

ブランコ


ブランコを片付けるのは年長さんの証です。

こうさぎ・こりす


2歳児と満3歳児クラスのお部屋。