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2021-04-30

健康体育~「脳の可塑性」を生かした運動遊び➃

「バリエーション」

※青梅幼稚園内、2021年3月に発行したものになりますのでご了承ください。

毎年、この時期(年度末)になると、1年間を振り返ります。
今年度は、ご存知のようにいつもと違った1年間でしたが、いろいろな制限と窮屈な環境の中で、子どもたちは最初戸惑っていたものの、やがて本来の元気さを取り戻し、年度末にはたくましい姿を見せてくれました。

健康体育で行う運動遊びで私が必ず行うことは「バリエーション」をつけることです。
「バリエーション」とは、「変化、差異、変化の程度」という意味ですが、私が運動指導の場で使う時は「多様化」といった意味も含んでいます。

人間の脳の重さは、3歳までに大人の80%まで成長します。脳の「増大は、おもに神経細胞のつながりが増えることによるものです。脳は回路をつなぐことで脳自身を整理し、からだと動きの地図をつくり、認知のしくみをつくり、感情を処理します。」(「限界を超える子どもたち」アナット・バニエル著p112)
そして、「脳が成長するのは、新しいことやそれまでと異なること、背景から際立っていること、普段の生活や心身の習慣ではないことを認識するときです。バリエーションを取り入れることは、脳が『違い』を認識するための最もわかりやすい方法です。」(前掲書p112)

一つのことをいろいろな方法で行うことができる程、「適応力が高い」と言えます。またいろいろな方法を考えることで「工夫する力」や「新しいことを学ぶ力」が高まります。私が運動指導の中でバリエーションを取り入れる方法は、いくつかありますが、例えば「立って」行う動きを「座った」姿勢や「寝た」姿勢で行います。またハイハイの動きは、通常前向きに進みますが、後ろ向き、横向き(左右)にも挑戦します。ボール遊びなどでは、同じ動きをボールの種類(大・小、硬い・柔らかい、軽い・重い、球体・いびつな形)を変えて行います。そうすることで、自ずと体の扱い方、力の入れ方に違いで出てきて、子どもたちはその違いを脳で感じます。

実際の指導場面では、子ども達は周りや前の子がある動きをするとそれにつられて、真似して同じことをする傾向があります。そうすると、しばらくワンパターンの動きが続きます。そこに「バリエーション」を持ち込もうとする時、「他のやり方でやってごらん!」と言葉がけをしますが、それでも変わらない時、一人の子に違った動きをさせたり、保育者にやってもらったりします。大抵の子どもはそれを見て真似をしてやり出します。流れの中で動きの転換を行うテクニックですね。そういうことを日常的にやっていると、「自由に動いてごらん!」と言った時、一人一人個性的で創造的な動きをやってくれます。

意識的に前向き以外の移動動作を行なったり、環境を変えられるのは動物界では人間だけです。人間はそれらの意図的行動や環境変化に対応できるように「大きな脳」を与えられました。しかし環境を人間だけの都合で変えてしまう人間の行いが今、ちょっと間違った方向に進んでいる感じがするのは、私だけではないと思いますが、これはまた別の機会に書きたいと思います。

いずれにしても、成長と上達(脳の発達)には、「バリエーション」が不可欠なのです。子どもにとってそれは発育発達のための「心の栄養」と言えるものであり、大人にとっても日常を過ごしやすくするための潤滑剤になるものです。

 
限界を超える子どもたち
脳・身体・障害への新たなアプローチ
アナット・バニエル 著伊藤夏子 訳瀬戸典子 訳
出版社: 太郎次郎社エディタス

 

健康体操講師 北洞誠一先生より
ご投稿いただきました

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