礼拝のおはなしって・・・どんな内容なの?➁
今回は特にこども達がよーく聞いていたお話を一つ取り上げさせていただきます。
- 11月18日「クリスマスのかね」
むかし、ある町はずれに貧しい兄弟がいました。弟が「クリスマス礼拝に僕も出たいな。とってもきれいなんでしょ?」と言いました。「うん。僕もまだ見たことないけど。今から出れば間に合うかもしれない。よし、じゃぁ、この銀貨一枚しかないけど(礼拝では100円と言いました)行こう」二人は教会へ向かいました。その教会には100年も鳴らない鐘がありました。なんでもクリスマスに素晴らしい贈り物を捧げた時にしか鳴らないという言い伝えがあったのですが…。二人が教会に近づいてきた時、女の人が倒れていました。息は荒く苦しそうです。「これは大変だ…。いいかい。この銀貨(100円)をもっておまえはクリスマスの礼拝に出てくるんだ。僕の分までしっかり見てきておくれ」とお兄ちゃんは言います。本当は自分も行きたかったけれど女の人を放っておくわけにはいかなかったからです。溢れそうになる涙をこらえ、必死で体をさすってあげました。教会はとても明るく、きらびやかでした。教会の中では「今年こそは私が鐘を鳴らしてやる!」と、お金持ちの人はたくさんのお金を、偉い人は高価な本を、王様は冠を捧げていました。けれども鐘は鳴りません。今年も鳴らないか…とみんなが思っていた時、あの弟がそっと銀貨を置いて「かみさま、おにいちゃんと女の人をたすけてあげてください」とお祈りしました。すると、「カーン カーン」鐘が鳴ったのです!!会堂にいた誰もが驚きましたが、誰がどんな捧げものをしたのか気づく人はいませんでした。弟はこっそり教会を出て、急いでお兄ちゃんのところへ戻ると、女の人は元気になっていました、というお話です。お話の後、こども達に「なんで、鐘が鳴ったんだろう?」と聞くと「温かい心があったから!」「神さまが鳴らした!」という返事が多かったです。
幼稚園でもクリスマス礼拝をします。その時にお家から献金を持ってきていただきます。伝えたいことはみんなの温かい気持ちを神様は喜ぶんだね、ということです。(ある子は「まきと先生がおうちにお金が一杯ある人はいっぱい持ってきてねって言ってた」と言ったようですが(笑))。なお、クリスマス献金は全額、青梅市社会福祉協議会と青梅市にある隠退牧師老人ホーム「信愛荘」に半分ずつ寄付させていただきます。みんなの温かな気持ちをもって献金したいと思います。
クリスマスのかね
作: 竹下 文子
絵: 山田花菜
出版社: 教育画劇