2026年度 4月 園長だより
「ここに来てよかった」
ご入園・ご進級おめでとうございます。
かけがえのないこども達とともに、新しい年度を迎えられることを、心からうれしく思っております。これからどのような成長を見せてくれるのか、本当に楽しみです。保護者の皆様とともに、その一つひとつの歩みを喜び合っていけますよう、本年度もどうぞよろしくお願いいたします。
春休みの間、様々な卒園生たちが園を訪ねてくれました。この春、中学校を卒業したこども達は、ちょうど10年前、私が最後に担任したこども達です。園内を見学したあとも、園庭でにぎやかに遊ぶ姿がありました。印象的だったのは、自分たちだけで過ごすのではなく、在園児と自然に関わりながら遊んでいたことです。
「お兄ちゃん、だれ?」「昔の年長さんだよ」
小さなこども達に囲まれながらのやり取りは、なんとも微笑ましく、この場所が世代を超えてつながっていることを感じさせてくれました。
『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン)という本の中に、1歳8か月のロジャーが海洋生物学者である著者の膝の上に抱かれ、静かに月や海面、夜空を見つめながら「ここに来て、よかったね」と語られる場面があります。私たちは、それぞれの「場所」を引き継ぎながら生きています。そして、その場所をより良くしようと願い、次に訪れる人が「ここに来てよかった」と思えるように、日々を重ねています。
私自身も、10年前にこの青梅幼稚園を引き継ぎました。それ以来、この場所がこども達にとって、安心できる場であり、心が動く体験に満ちた場となるよう、様々な取り組みを続けてきました。楽しさや驚き、安らぎといった経験を通して、こども達一人ひとりが「ここに来てよかった」と感じてくれることを願ってきたといってもいいのかもしれません。ただ、人は一人では幸せを感じることができません。他者との関わりや、さまざまな命との触れ合いの中でこそ、幸せは生まれます。そして、その関わりは「場所」と深く結びついています。だからこそ私たちは、その場所をより良くしようと、自分の手を動かし続けます。手を動かす中で生まれる気づきや感覚の中にこそ、かけがえのない豊かさがあるのだと思っています。
春休みのある日、別の卒園生と過ごす機会がありました。「ぬいぐるみのお家を作りたい」という思いから、端材や工作材を使って、小さな家づくりが始まりました。次々とあふれる自由な発想に寄り添いながら、私は道具や材料の提案をする役に回りました。やがて完成に近づいたとき、その子はふと、
「『これ、誰が作ったの?』って聞かれたら、卒園生の子が作ったんだよって言っておいて」と話してくれました。自分のためではなく、これからここで過ごす小さなこども達のために作っていたことに、胸を打たれました。同時に、この場所はこうして次の世代へと受け継がれていくのだと、深く感じさせられました。
手を動かし、より良い場所をつくろうとする営みは、まさに「探究」です。こども達もまた、日々の遊びの中で主体的に探究を重ねています。これからも、「ここに来てよかった」と心から感じられる場所であり続けられるよう、こども達とともに手を動かし、探究を深めていきたいと思います。 (園長)

























