2018年度11月の園長便り
「われは草なり」
高見 順
われは草なり 伸びんとす 伸びられるとき 伸びんとす
伸びられぬ日は 伸びぬなり 伸びられる日は 伸びるなり
われは草なり 緑なり 全身すべて 緑なり 毎年かはらず
緑なり 緑のおのれに あきぬなり われは草なり 緑なり
緑の深きを 願ふなり
ああ 生きる日の 美しき ああ 生きる日の 楽しさよ
われは草なり 生きんとす 草のいのちを 生きんとす
こども達と共に過ごす生活。 幼稚園の中ではある程度の区切りがあり、無限という感覚とは少し違うかもしれませんが、家庭の中では「無期限」といったことを感じることはないでしょうか。 家庭の中で、もし不安なことがあったとしたら、いつまで続くのか、早く楽になりたい、もっと良いものを手に入れたい…と思えば思うほど不安は大きくなる。 いつまでたっても満たされない思い…。 いつまで続くのかという焦り…。
「まだ~歳」「もう~歳」。 大人はまだこどもを自分の腕の中に抱いていたい思いは強い。 けれど一方で、もうこどもに手を取られずに自分自身のことをやりたい気持ちもある。 「まだ」と「もう」はこどもと自分を含めた「今」を表す言葉と言われます。 先を見て焦ったり、後ろ向きにならずに「今」の時を楽しむには…「われは草なり 草のいのちを生きんとす」
私もかくありたいと思います。
(園長 横山 牧人)