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2021-12-02

2021年度 12月の園長便り

「耐えるだけが精神力ではない」

週刊少年ジャンプの編集方針は「友情・努力・勝利」のいずれかの要素が掲載作品に盛り込まれている、というお話を先日聞きました。なるほど、私も小学生時代はよく読んでいたので知っている作品すべてにその要素が当てはまり、納得でした。確かにどれも素晴らしいものであると思いますが、知らず知らずのうちに例えば「努力とはこうあるべき」というようなステレオタイプを持ってしまうことは誰にでもあると思います。

運動会前の竹のぼりの練習の時、今年の子たちは一部の子を除いて多くの子は登れていませんでした。先生たちもお友達もみんな応援しています。けれども登れません。そんな状態が続くと「歯を食いしばって努力を重ね、遂には登れるようになる姿」を大人は求めてしまうのかもしれません。事実、私も内心そう思っていました。しかし、こども達の姿は違いました。登れなくてもニコニコして、なんだか楽しそうなのです。本気になっていないのでは?いえいえ、若草公園で練習した後、園庭で遊んでいる時も砂場に立っている竹を誰に言われなくとも登っていました。ただ、そこに悲壮感などはなく、楽しそうに遊んでいる感じで…。そして迎えた本番は全員自己ベストを更新するという結果になりました。「こどもにとっての努力とはいかなるものか」また一つ学ばされた気がしました。また、リレーでは一番最後(ビリ)でゴールした子が誇らしげに「ねぇ、僕速かった?かっこよかった?」と満足した表情で語りかけてくれました。他者と比べ競うことではなく、自分がどれだけ全力を出せたかを重視する、このようなこども達の姿は本当に輝いて見えました。

臨床心理士で2007年に天へ召された河合隼雄氏の著書「こころの処方箋」の中に「耐えるだけが精神力ではない」という箇所があります。氏によると、日本人は勝利を得るためには耐えや苦しみがなければならないと決め込んでいる、とのことです。もう駄目だという時、新しい手段を考え、方法を変えるイマジネーションの豊かさこそが「精神」のはたらきそのものであるのに、耐えることを要求し、耐えることを学ばせることに重点を置くから「精神」の働きを貧困にし、没個性につながっていると訴えています。さらに、耐えることに重点を置くことは指導者にとっては都合の良いことだとも述べています。没個性となることで統率が取りやすくなり、「こんなに耐えたのだから」と負けた時の免罪符にもなるからだ、と。私たちはどんな時でも「こどもの最善の利益」を追及しなければなりませんから、河合隼雄氏の語るこのことは、よくよく心に留めておかなければならないと思いました。

12月はクリスマスを中心に様々なカリキュラムが立てられています。年長さんは毎年恒例のページェント(聖誕劇)を、年中以下のこども達も今年のこども達ならではの取り組みを計画しております。一人ひとりのこども達が本番当日までに自分を主人公としてどんな物語(ストーリー)を構築していくのか楽しみです。その一つ一つが神様から祝福された大切な思い出として心に残ることを願います。処女(おとめ)マリアは処女懐胎、馬小屋での出産という苦難の中にありましたが、決して絶望してはいなかったと思います。「お言葉通りこの身になりますように」…この言葉の重さを改めて感じます。聖書の中では「忍耐」という言葉は「期待して踏みとどまる」と訳される場合もあるそうです。どんなにうまくいかない状況にあっても、こども達も聖母マリアもそうであったように希望を持って踏みとどまり、一歩一歩新しく歩みを進めていくことができますように。そして、全てのご家族の上にあたたかなクリスマスの灯が灯りますように、お祈りしております。

(園長 横山 牧人)

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職員室


教材が置いてあります。

りす


3歳児クラスのお部屋。

フリールーム


預かり保育、礼拝、健康体操など多目的に使います。

うさぎ


3歳児クラスのお部屋。

お庭


5月にはグミの実が、夏から秋にかけて野イチゴが採れます。

きりん


4・5歳児の縦割りクラスです。

園長室


園長がお仕事をしています。

こひつじ


地域の親子が遊べるお部屋です。

ぱんだ


4・5歳児の縦割りクラスです。

こどもトイレ


壁紙も木の扉も先生の手作業できれいにしました。


のぼる子ども多数。下にはスギのウッドチップ。

ポスト


のぼるところ。宝物などをしまうところ。

ブランコ


ブランコを片付けるのは年長さんの証です。

こうさぎ・こりす


2歳児と満3歳児クラスのお部屋。