2023年度 12月の園長だより
「与えられたものへの感謝」
先日、森へ遊びに行った時のこと。
年少さん以下の小さなお友達と一緒に遊び始めた時、いつものように沢ガニを探しに沢へ降りて行きました。「川の水が少ないねぇ…。雨が降ってないからだねぇ」と言いながらカニを探す子がいました。一瞬聞き流してしまいそうになりましたが、あれ!? 川の水と雨が関係してるって知ってるんだ!と内心驚きました。私が小さかった頃、そんなこと気づきもしなかっただろうに‥。自然の中で遊ぶ機会があるということは、誰に何を言われなくても自然の法則を理解できる、ということなのかな、と、また新たな気づきを得ることができ、この環境で遊べることに改めて感謝の思いを持ちました。
11月はインフルエンザが流行し、寒暖差も大きく体調を崩しやすかったと思います。気持ちが沈みがちになってしまいそうなそんな時も、山は美しかったです。そして、こども達が走り回る様子と美しい自然の景色は、私に元気を与えてくれる感覚がありました。実際、疲労や呼吸の乱れは街中よりも自然の中の方が回復が早いという実験結果も出ております。自然の神秘な力に感謝しました。
園内では、クリスマスへ向けた日々を過ごしています。アドベントクランツのろうそくが増えるたびに喜び、クリスマスの飾りつけを楽しそうにおこない、礼拝のお話を真剣に聞いてくれるこども達の様子があります。各学年、クリスマス祝会へ向けての取り組みも始まっています。年長さん達はクリスマスのページェント(聖誕劇)の配役を話し合いました。毎年、様々なドラマが生まれる「配役決め」ですが、クリスマスの絵本を読み、ページェントごっこを経て、こども主導の話し合いをおこないました。今年はマリア役が競合したようです。このような場合、1日では決めずに数日かけていくことは、よくあることです。日常生活を送る中で、いろいろと考えも移り、心の揺れを感じながら私たち保育者はこども達の申し立てに耳を傾けます。そして、柔軟に対応していくことができるように努めます。結果、今年も無事にそれぞれが満足した役が与えられたようです。こども達が創るページェント(聖誕劇)を、今年もとても楽しみにしております。
冒頭の森遊びの日は寒かったので、カニは見つけられませんでした。けれども、こども達は木の実や与えられた環境の中で思う存分楽しんでいました。様々ないのちのつながりの中で私たちは生きています。木も虫も花も鳥も、そして私たち人間も…。その一つ一つのいのちの価値は何かができるから(できないから)といって変わることはありません。そこに存在していることそれだけで尊いことなのだということを改めて感じます。クリスマスの訪れは神様が私たちのことを等しく愛してくださっているというメッセージです。こども達と先生たちと保護者の皆様と共にクリスマスを温かく迎えたいと思います。(園長)