2020年度クリスマスを迎えて
メリークリスマス!!
今年はコロナの影響もあって、12月24日が青梅幼稚園のクリスマス礼拝・祝会となりました。クリスマス・イヴにおこなうのは初めてのことだと思いますが、世界中の様々な人々と気持ちを同じくすることのできる喜びを感じながら会に臨みました。
その中で、クリスマスの物語は世界共通ですから、そのメッセージを理解しようとすることは視野を広く持つという意味でも大切なことだと思っています。簡単にもう一度振り返ってみますと…
結婚前のマリアのところに天使がやってきて「神の子をみごもる」お告げを受ける受胎告知。婚前妊娠は当時の社会では罰を受けなければならないほどのことでした。けれど、「お言葉通り、この身になりますように」と神を信じ、全てを受け容れ、祈るマリアの姿。それを受け容れたにもかかわらず出産を馬小屋で迎えなければならなかった過酷な環境。普通であったら心折れてしまいそうな出来事ではないでしょうか。一方、寒い冬の夜も野宿をして過ごす羊飼いたち。家もなく他人から見放された彼らのところに、一番最初に天使がクリスマスの知らせを届けに来ます。そしてイエス・キリストが馬小屋で生まれたからこそ、羊飼い達は会うことができました。誰一人として置いてけぼりにしない、全ての人に対し温かく「おいで」と言ってくれる、そんなメッセージを感じることができると思います。また、東方の国からは博士たちもやってきます。要するに外国からやってくるのです。このクリスマスのお話はユダヤの一地方限定の話ではなく、世界中の人々に向けられた話であることを示していると思います。
クリスマス礼拝の後は祝会を持ちました。祝会の中で満3歳児、年少さん達はそこにいるだけで最高に可愛らしかったです。そう、何かが特に秀でてできるから、良いんじゃないんです。自己肯定感という言葉はよく聞かれるようになりましたが、何かができなければ自分を肯定できない…では自己肯定とは呼べません。自分という存在そのものを良しと思えることが自己肯定感なのではないでしょうか。ですから、こども達の行動を心の表現ととらえ、理解し、認めていってあげることはとても大切で、こども達の成長につながると思っています。そして、それを理解するために傍観者ではなく、大人も当事者として、同じ時間、空間を五感を通して共有することが、こどもの良き理解者への道だとも思っています。年中さん達は自分の好きなことを自分で選び、学年としてやるべきことにつなげていました。ゲーテが自由についてこんなことを言っていたそうです。「自由とはやりたいことと、やらなければならないことが一致している状態である」。こども達の活動の中に自由を保障してあげることの難しさも感じましたが、それを追求していくことの大切さも同時に学ぶことができました。
年長さん・全園児でおこなったページェント(聖誕劇)は本当に見事でした。様々な子たちがいる中で、誰かの助けが必要な時は自然とこども達同士で支え合う姿が今日も見られました。これは先生が指示したわけではなく日常の表れです。さらに今年はコロナのこともあって少し体調が良くなかったらお休みするケースが多かったので、実は年長さんがみんな揃ってページェント(聖誕劇)をしたのは今日が初めてのことでした。そのような姿を見ることができて、こども達は光そのものだなぁ…と感動しました。
みなさんの心の中に温かな光を灯すことのできるクリスマスでありますように。(園長)