クリスマス おめでとうございます
昨日はみなさん、どのようにお過ごしになったでしょうか。ご家族と、ご友人と、楽しい時間を過ごされたことと思います。私は教会へクリスマスイヴ礼拝に出席してきました。美しいオルガンの音、ヴァイオリン、フルート、ギター、ピアノ、様々な楽器の演奏と共に歌うクリスマスキャロルは心に響くものがありました。今年もこうしてクリスマスを迎えられたことを心から感謝いたしました。
「おいらのひみつだけど、すっごくかんたんなことなんだ。いいかい、本当に大切なことは、目には見えないってことさ」
イヴ礼拝のお話の中で「星の王子さま」から引用した部分がありました。上記のセリフがそれです。星の王子さまとキツネのやり取りの中で、悲しみにくれる王子様に対して、人との関係をかけがえのないものにするためには愛をもって時間を無駄にすることなんだよ、とキツネは言います。かけがえのないものとは人との「絆」。これをふかくすることによって人は悩みの中から回復できる力を得ることができる…。けれど、大切なそれらは目には見えないものなんだ、と。
今年は次から次へと自然災害に見舞われた年でした。今もなお、不自由な生活を強いられている方々がいらっしゃると聞きます。他にも様々なことで悩み苦しんでいる方もいると思います。そのような時に回復への道にたどり着くために必要なものは目には見えない「愛」なんだと「星の王子さま」から読み取れると思います。どんなにたくさんのパンがあっても、どんなにたくさんのお金があっても、暗い闇の中にいる時に回復へ向かうために必要なものは時間をかけて築く無償の「愛」なんだとキツネは伝えようとしているように思えるのです。
マリアとヨセフは若い夫婦でした。経済的にも余裕はなく、身なりも高貴なものとは程遠いものでした。誰もこの夫婦から神の御子が生まれるだなんて思いもしませんでした。ですから、人はあたたかな居場所を与えず、馬小屋へとはじいていってしまいます。「心でなくちゃよく見えない。もののなかみは目では見えないってこと」とはキツネの言葉。目に映るもの、それだけを信じることのいかに危険なことかを知らされているような気がします。そして、イエス・キリストがこのような中、馬小屋で生まれたことこそ、神様が私たちを愛してくださっているというメッセージなのではないでしょうか。
こども達と教師の関係、ご家庭と幼稚園の関係、親同士の関係、心の目で見ることを大切にして絆をより深めていけますように。そしてお互いが、かけがえのない存在としての関係を築くことによって、こども達の生きる力へつなげることができますように、と願います。
皆様の上に神さまの豊かなクリスマスの祝福がありますようにお祈り申し上げます。メリークリスマス。(ま)