2019年度9月の園長便り
今年の夏休みはいかがでしたか?
川遊び、海水浴、バーベキュー、プール遊び、この時にしかできない体験を家族で楽しい時として共有できたらいいですよね。 私は小学5年生女子3人と野外キャンプをし、中学2年生男子4人と山登りをしてきました。 いよいよプライベートと仕事の区別がつかない感じになってきましたが、毎日を楽しく過ごせたことは感謝なことです。 私は夏休みなどの長期休みがこども達に必要な意味は暑くて勉強がはかどらないから… というものではなく、この時に体験の幅を広げる機会としてとらえることだと思っています。 体験の幅を豊かに持っている子は様々なイメージを持つ事ができ、遊びも創造性に溢れているように思えます。
夏休み中の幼稚園は預かり保育としておこなっているので、年少さんから年長さんまで一緒に過ごします。 これも子育て支援の他に体験の幅を広げるという側面もあると思っています。 私も保育に入る日が数日ありましたが、10人前後の異年齢のこども達と歌をうたったり、ゲームをしたり、プール遊びやシャボン玉、泡あそび等々で遊んでいるとこども達の新たな一面を発見する事ができ、とても楽しかったです。
「こどもの行動は心の表現」
私の尊敬する故 津守真先生の日記の中にこんな箇所がありました。 以下抜粋してご紹介いたします。
あるとき、私は子どもの行動を表現として見ることを発見した。
行動は子どもの願望や悩みの表現であるが、それはだれかに向けての表現である。 それは、答える人があって意味をもつ。私か、あるいはだれかに。 解釈は応答の一部である。解釈がずれているときには、子どもはさらに別の表現を向けてくる。
このことを私は八年間の実践の生活の中で確かめた。 表現として見ることは、子どもたちと私との保育的関係を作り上げるのに欠くことはできない。
私は実にいろいろの子ども達からそれを学んだ。 またいろいろの保育者たちからそれを学んだ。子どもは保育者によって向ける表現が異なる。 その話を聞くことにより、私はその子の別の側面を知る。
表現は子どもの心の根底にある永続的課題の表現でもある。 それを発見するのには時間を要する。
夏休み中、保育は二人体制ですので「まきとせんせーい!」と呼ばれることもあるし、「○○せんせいー!」と他の先生が呼ばれることもありました。 その一つひとつをよーく考えてみるとそれぞれに意味があったことに気づきます。 それは通常のクラスではない、この夏休みの預かり保育ならではのこども達の行動だったのでしょう。 こどもと一緒に生活をし、遊ぶことによって、こどもと対の関係でそれをすることによって、行動の意味をこどもの側に立って考える機会を与えられました。 そう考えると私もこども達に体験の幅を広げさせてもらったと言えると思います。 これから始まる2学期もこども達の心の動きが行動となって表れ、成長の時を喜び合う事ができますように私たち教師一同保育に努めてまいります。 今学期もよろしくお願い致します。
(園長 横山 牧人)