2018年度5月の園長便り
新年度が始まって、こども達の遊んでいる姿に目を奪われることがあります。 花も草も勢いよく伸びている中なので、余計にこども達の活動も生き生きとして見えるのかもしれませんね。 遊びの内容はそこまで多種多様というわけではありません。 鬼ごっこ遊び、砂場あそび、泥んこ遊び、水遊び…同じような遊びを毎日くり返しくり返し…。 でもこども達の目はきらきらと輝いているのです。 もう少し違う刺激を与えてみようかしら…なんて大人は思ってしまいますが、どうやら その必要はなさそうです。 ある子と一緒に何回も何回も同じような砂で作られた御馳走を食べている時、そろそろ違う場所に移って他の子の 様子も見ようかなと思ったのですが、あまりにも一生懸命作ってくれるので、もう少しと、踏みとどまっていると 、くり返しの行為に浸っているその子の世界にハッとふれた気がしました。 でも次の瞬間、私を置き去りにして水場へ走って行って違う遊びに移っていました。 私は私の方から去らなくて良かったと思うと同時に、少し私のこども達に対する世界が広がったという得した気分 になりました。
また、こどもの遊びの面白さはストーリーやできあがった形に限りません。 砂場でおだんごを作って並べたり、ケーキのデコレーションを楽しむこともありますが、ずーっと握って叩いて 穴をあけて…をくり返している子もいます。積木やブロックのような形のあるものを扱うのではなく形のない混沌 としたものを手のひらで探って形になったかと思うと崩れてまた混沌へ戻っていく…のくり返し。 砂や土と水を混ぜて新たな物質を作り出そうとする子の動きも面白いです。 水と砂・土は一方は流動的で他方は固形的。 これを混ぜて手でなでて滑らかにしようとし、何度も繰り返しているうちに何かの形を作ろうとします。 はじめは水と砂・土の性質に従って動いていた手が段々こどもの意思をもって形にしようとする…。
一見、単純で同じ遊びに見えても、こども達の世界の中に入っていくと実に様々なことが毎日違う形で行われ ていることに気づきます。 遊ぶことの大切さ、遊ぶことを通して学ぶ力をたくさんたくさん身につけていってほしいと思っています。
(園長 横山 牧人)