2017年度8月の園長便り
こどもの質問攻めに対処するための心得とは…
皆様、楽しい夏休みをお過ごしでしょうか。
夏休みには旅行に出かけたり、普段は会わないような方々と一緒に過ごしたり、 非日常的な体験の機会がこども達は多くあると思います。 そんな時、よくあるのが、こどもの質問攻めにあって四苦八苦している大人の姿。 ちょっと面白い親戚のおじさんなどは恰好の的になり、あれやこれや問答をしているうちに うまく答えられなくなりせっかくの楽しい場が台無し…なんてことはないでしょうか? こどもの質問はとても大切なものです。 ですから、じゅうぶんに満足するように答えてあげたいものです。 「うるさい」「しつこい」などと思わないで聞いてあげられるように、今回は倉橋惣三の 「育ての心」を参考に考えていきたいと思います。
こどもはなぜ質問をよくしてくるのでしょうか。
1.見るもの聞くものが珍しく、知的好奇心によるから
2.大人よりも注意深く見る観察力があるから
3.自他との区別があいまいだから。(自然やあらゆる現象を自分の心に引きあてて解釈しないと安心できない)
以上のようなことが考えられるそうです。では、どのように答えてあげたらいいでしょうか?
満2歳ころからは「それは何というものか」という答えを得られれば満足します。「金魚はなにか?」 と聞かれたら「魚です」と答えればよいのです。この場合、こどもは知識を増やそうとしているのではなく、 知っていることを他人に言ってもらうのが楽しいのです。ですから「知っているように答えてあげる」ことが ポイントになります。
次の時期になると「使用方法」を聞いてくることが多くなります。「鉛筆はどうするの?」と聞いてきたら 「絵を描くためだ」というように使用方法を答えてあげればよいのです。何のために使うかというよりも、 どういう風に使うかということに興味があるので、そのように答えてあげるのが良いと思います。
次の時期には「どうして?」「なんで?」と原因、由来を聞いてきます。 この質問に対してはこどもの知っていることと結び付けて答えてあげます。 「なぜ、木の葉が落ちるの?」と聞かれたら「木の葉も初めはしっかり枝につかまっていたけど、 疲れて手を放してしまったんだよ。鉄棒にずーっとぶら下がっていたらいつか落ちてしまうでしょう」と 答えてあげます。
「知っていること」はイメージしながら聞くことができるので、理解につながるのでしょうね。
「鬼がああしたとか、化け物がこうしたとかいって、こどもの心持ちとかけ離れた超自然的なことで解決しては いけない。」とも書いてありますので、注意していきたいですね。
この夏休み、体験の幅を広げて、楽しく色々な人と関わりながら、成長していってほしいと願っています。
また、2学期に会える日を楽しみにしています!
(園長 横山 牧人)