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2020-03-02

2019年度3月の園長便り

「幸せの空間」

卒園式で歌われる歌が日常の中で聞こえてくるようになりました。毎年同じ歌を同じ時期に聞いていますと、歌を聞くだけでいよいよ卒園か…という思いになります。「卒園」というフィルターを通してこども達の行動を一つひとつ見ていくと、それぞれのこどもにそれぞれのペースで成長があることに気付かされます。何を大切に保育し、何を変えてきたのか、それがこども達にどんな影響があったのか、幼稚園として歩み続けることの意味を考えさせられます。
幼稚園としての「居場所」は単なる物理的空間とは違うと思っています。守られて安心できる空間、一人でいることも他人と交わることもできる。自分から出ていってまた戻ることが出来る場所であるべきではないでしょうか。そして何より重要なのはそこにいる人。人を信頼できるとき、こども達は自分の存在を確かにすることが出来ます。その中で、こども達は成長をすることができます。成長することは新しい自分自身になることとも言えますから、心の拠り所が無ければ不安は大きいままで成長が難しい時もあると思います。ですから、私たちは一人ひとりの要求に耳を傾け、受容的な態度で接し、こどもとの信頼関係を築くことを大切に保育をこころがけてきました。
誰しも幼児期に夢のような空想を描いてそのファンタジーの世界を楽しんだ経験を持っていると思います(今思うと少し恥ずかしいようなものもありますよね)。そんな夢想と家についてバシュラールという人が「幸せの空間」という考えの中でこんなことを言っています。

「生家は思い出をこえて、我々の肉体にきざみつけられている。生家は住まいの統合体以上のもの、夢の統合体である。生家の片隅の一つ一つが夢想の棲家(すみか)であった」

そうかもしれませんね。私の生まれ育った家は取り壊されてしまいましたが、今も家のあった場所を通るたびに私の夢想のかけらのようなものを感じます。幼稚園も同じなのではないでしょうか。小学校、中学校を卒業した卒園生たちが春休みによく遊びに来てくれますが「えー!椅子が小さい!」「園庭ってこんなに狭かったっけ?」「あー、このにおい!」と言いながら何かを思い出す、というよりは何かを感じている様子が毎年あります。彼らもかつてここに置いていった自分の夢想の空間を感じているのではないでしょうか。
年長さん達13名が卒園していきます。畑で野菜を育てて料理をしたとき、森で遊んだとき、園庭で虫と驚くほどの関わりをもっていたとき、門の上に登っていたとき、どんなことを想いながら遊んでいたのだろう…どんな夢想をこの幼稚園に置いていくのだろう…そんなことを思いました。時代と共に変わっていく部分は当然ありますが、この幼稚園には卒園していく年長さん達の夢想がいつまでもあることを私たちは忘れません。だから、また遊びに来てほしいのです。そして、願わくは、この幼稚園が「幸せの空間」であったと感じてほしいのです。それが生きる力につながると信じています。
保護者の皆様にも、この一年多大なるご協力をいただき心より感謝申し上げます。これからも保育を充実させこども達の成長につなげていきたいと思いますので、引き続きお付き合いくださいませ。
よろしくお願いいたします。

(園長 横山 牧人)

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職員室


教材が置いてあります。

りす・こりす


3歳児・満三歳児クラスのお部屋。

フリールーム


預かり保育、礼拝、健康体操など多目的に使います。

うさぎ


3歳児のお部屋。少人数にはぴったり。

お庭


5月にはグミの実が、夏から秋にかけて野イチゴが採れます。

きりん


4・5歳児の縦割りクラスです。

園長室


園長がお仕事をしています。

こひつじ


地域の親子が遊べるお部屋です。

ぱんだ


4・5歳児の縦割りクラスです。

こどもトイレ


壁紙も木の扉も先生の手作業できれいにしました。


のぼる子ども多数。下にはスギのウッドチップ。

ポスト


のぼるところ。宝物などをしまうところ。

ブランコ


ブランコを片付けるのは年長さんの証です。